性犯罪・性的表現・ジェンダーに関しての様々の問題について

元ライターでもあった国内外ロビイストからの視点

CG児童ポルノ事件は有罪判決にできましたが、闘いは続くことになりました

本日、CG児童ポルノ事件の判決が出ました。
検察側が主張した懲役2年、罰金100万の求刑に対し、判決は懲役1年・罰金30万円、執行猶予3年の有罪判決が下されることになりました。

今回の裁判官は、「完全に無罪というわけにはいかない。全然特定の人ではなく作り上げたという、あなたの主張に裁判所は乗るわけにはいかない」とも述べています。

日本の司法においては児童ポルノに限らず、わいせつな創作物であっても不適切な表現をなんでも無罪ということにすることはあってはならないことですし、仮に無罪になればもちろん、検察側だけではなく、国際社会が黙っていなかったでしょう。(無罪判決が出ていれば必ず控訴すべきと私達は主張していました。)

しかし、有罪判決を勝ち取れたといえど、わいせつな創作物を規制させなければならないと考えている私達にとっては、判決の内容ははっきり言って甘いと言わざるを得ません。
なぜなら、被告の描かれた内容で、児童ポルノと認定されたものは、34枚中、3枚の画像でしかないことや、2つの作品中の2点中1点が丸々認定されなかった点にあり、当然判決でも執行猶予のついた判決になってしまったことでしょう。
罰にしても軽いと言わざるを得ません。

私が仮に検察の人であれば、必ず控訴する対応を取っていただろうことは間違いないでしょう。
いずれにせよ、被告側の弁護士が控訴したため、これからも裁判が続くことになります。
被告側の弁護士は恐らく最高裁まで争うような人であるでしょうし、私としても今回や高裁の判決で決着がつけれるとは最初から思ってはいません。
今回の裁判官も有罪でも執行猶予がつけられれば、被告の控訴を断念してもらえるという見通しもあったのでしょうが、その弁護士が相手ではそれはないと言わざるを得ず、実際に即控訴に至ったことで今頃裁判官はこの見通しの甘さについてはどう思っているのでしょうか。

高裁や最高裁まで続くとみられる以上、私達にとっても今回の判決に満足することなく、司法が現状の児童ポルノ法の定義にはっきり創作物を含めるべきだと警告させていくべきとともに、認定されるべき画像が34枚全部にあてはまった上での実刑有罪判決を下していただきたいと考えております。

尤も、こういった事件においては、寧ろはじめから175条で取り締まれれば、もっと有罪判決は出しやすくはできたのではないでしょうか?