性犯罪・性的表現・ジェンダーに関しての様々の問題について

元ライターでもあった国内外ロビイストからの視点

良い漫画、悪い漫画の区別どころではありません

都知事立候補者でも小池百合子氏によるコミケ応援宣言を発端に性表現問題を取り扱い性暴力表現反対派と表現規制反対派の双方で波紋が広がっています。

かつて彼女は
「児童買春・ポルノ禁止法の早期改正を国会に求める請願」の紹介議員でした。
漫画やアニメ、ゲームソフト等『仮想のわいせつ画像や性的虐待の表現』を問題視してくださり、その実現に尽力を尽くした人物でしたが、それを撤回することが仮に本気なのならば残念でなりません。

仮想のわいせつ画像や性的虐待の表現」がなければそういった表現物は守ってもいいという意識のある方はいます。
与党の憲法改正草案でも、21条の案に関して
公益及び公の秩序を害する内容を認めないようにすることができるようになりますが、その問題の表現がなければ創作物は認めることはできるとする立場の人もいます。

要は公の秩序を乱さない範囲であれば改憲後もコミケを開催してもよい、という考えの人が与党側にも増えているのですが、私達としては良い漫画と悪い漫画だけの問題ではありません。

先日の参院選では、もっとも表現規制問題での政策に歯止めをかけられた実績があった者に対し、30万近い票が漫画やアニメやゲームばかりしている人やそれを作り出す業界関係者らが入れられたことがあり、それが発端として小池氏に限らず、他の一部の性暴力表現を問題視してきた議員に影響が出始めています。

そしてもうひとつ、最近気になった要因があります。

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ある学校で行われた統計がありますが、最近青少年が目指したい職業の8割以上がアニメ・漫画・ゲーム関係の職業が圧倒的だったという報告も受けています。それ以外の職業がほとんど少なく、将来的に必要とされている職業に就く人の人口が足りなくなる恐れがあることも以前から問題視しています。

これは仮に『仮想のわいせつ画像や性的虐待の表現』がなくなっただけではこういった問題が解決できるわけではないことを意味します。
ある落選した議員は、特にアニメや漫画関係に従事する人が待遇が悪いとしてこの職業に対しさらに待遇を良くしていこうと主張されていましたが、これが他の職業以上に待遇をよくしてしまった場合、さらに本来必要な職業に就こうという人を減らしかねません。
それこそもまた、「
公益及び公の秩序」を阻害することに繋がりかねません。
ましてや、とくにわいせつや性表現が取り入れられているようなものを作られていることが経済を動かすことはあってはよいものでしょうか?
いいえ、絶対に阻止しなければなりません。

表現に対する規制だけではなく、就労、経済関係からの面でも規制等を盛り込んでいくことが今後の性表現問題に尽力していく議員にはあらためて意識し直してもらいたいと考えています。